パニック障害の検査で誤診されやすい13の病気と誤診を防ぐ方法

パニック障害は診断の難しい病気だといわれています。

まずは一般の内科で検査をして、体に異常がないことがわかってから、心療内科などでの検査に進みます。

ここで「パニック障害である」と診断されればよいのですが、パニック障害とは違う別の病気と誤診される可能性が十分にあるのです。

そこで、誤診されやすい病気や誤診による影響などについてお伝えします。

※この記事は医師による監修ではありません。当情報をもとにしたご判断や行動はご自身の責任においてお願いいたします。

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【目次】

誤診されやすい13の病気

では、パニック障害はどんな病気と誤診されやすいのでしょうか?「誤診されやすい病気」 と 「そのおもな症状」 について挙げてみます。

  • 過換気症候群 : 呼吸困難、めまい、けいれん、手足のしびれ
  • 統合失調症 : 幻聴、幻覚、被害妄想、不眠、興奮、感情の不安定
  • 躁うつ(そううつ)病 : 高揚感、興奮、ゆううつ、やる気がない、寝つきが悪い、無価値観
  • 自律神経失調症 : 動悸、冷え、ほてり、微熱、耳鳴り、めまい
  • メニエール病 : めまい、吐き気、冷や汗、耳鳴り
  • 心臓神経症 : 胸痛、動悸、めまい、息切れ、呼吸困難、手足のしびれ、頭痛、不眠
  • 不安神経症 : 漠然とした不安感、動悸、呼吸困難
  • 狭心症 : 胸が締め付けられるような痛み
  • 不整脈 : 脈がはやくなる、動悸
  • 僧帽弁逸脱症 : 動悸、めまい、胸の痛み、息苦しい
  • 側頭葉てんかん : 発汗、顔がほてる、頻脈、恐怖感
  • 褐色細胞腫 : 動悸、発汗、吐き気、頭痛、不安感
  • バセドウ病 : 脈が速い、多汗、暑がり、疲れ、微熱、落ち着きがない、イライラ、不眠
  • 低血糖 : 動悸、冷や汗、ふるえ、頻脈、不安感

これらが、誤診によってパニック障害と間違われやすい病気の代表です。

側頭葉てんかんなら脳波の検査で見つけられますし、メニエール病は耳鼻科での検査で見つけることができます。ただ、内科での検査で「念のため耳鼻科も受診しましょう」や、「脳波の検査をしてみましょう」といった提案がなければ、見つけられない可能性が大いにあるでしょう。

さて、誤診をされるとどのような問題が起こるのでしょうか。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」、「狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)」、「血糖値」、厚生労働省 みんなのメンタルヘルス「統合失調症」、「双極性障害(躁うつ病)

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誤診による影響とは?

誤診による影響は小さいとはいえません。

病気が違えば、治療法も薬も違ってくるのは当然のこと。そううつ病と診断されて薬を処方されても、実際にはパニック障害だった場合、その薬が効かない場合がもちろんあります。

パニック障害は、完治まで1年、1年半と期間が長い病気です。風邪が治るのとは違って、治癒に向かっていることがわかりにくい病気です。

それだけに、別の病気であると誤診されて薬を処方されて、効果があらわれなくても「パニック障害は時間がかかる病気です。じっくりと治していきましょう。」と、誤診に気づかないまま時間ばかりがたってしまう可能性もあります

誤診では治療効果は期待できない

誤診による処方に注意

誤診によって効果があらわれないと、体の負担もなかなか減っていきません。それだけでなく「こんなに長い間薬を飲んでいるのに、どうして少しも良くならないの?私はもう治らないの?」と精神的な負担もとても大きなものでしょう。

また、ほとんどの人が「できれば薬は飲みたくない」とお思いでしょう。それでも治るのならと我慢して飲んでいたのに、それが誤診によって処方されたもので、まったく効果がないまま長い間飲んでしまう、というのは避けがたいことです。

薬の中には交感神経を優位にするもの(=ストレス状態にして体の筋肉を緊張させてしまうもの)も少なくありません。

体の緊張はあらゆる不調のもと。薬を飲み続けることが別の不調を生み出してしまうことだって珍しくないのです。

パニック障害は発症してから2、3ヶ月以内に治療することが重要。誤診によって早期に治療がおこなわれないと、症状が慢性化してしまって治りにくくなることもあります。

では、誤診を防ぐために患者自身ができることはあるのでしょうか。

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誤診を防ぐためにできること

誤診を防ぐためにすべて伝えよう

誤診を起こさないようにするためには、自分に起こった症状を、恥ずかしがらずに医師にすべて伝えることが重要となります。

どのような状況でどのような症状が起きたのかを、医師に包み隠さず伝えないと正しい診断ができません。

患者にとってはささいな出来事でも、医師にとっては診断をくつがえす重要な事実となる可能性もあるのです。

診察室に入ると緊張して話すことを忘れてしまう時は、事前にメモの用意がおすすめ。気になることはささいなことでも遠慮なく質問し、薬や治療方針に納得がいかない場合は医師とよく相談しましょう。

自分に付けられた病名に疑問を抱いた場合や医師を信用できなくなった場合は、セカンドオピニオンを試してみるという方法もあります。

病院によって治療の理念や方法はまったく違うといっても過言ではありません。長い間通院しても良くならないと感じた場合は、病院を変更してみるのも手段の一つではないでしょうか。

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