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自律訓練法の方法・効果・注意点とは

パニック障害には予期不安や広場恐怖などの症状があります。その症状をやわらげる治療法としてドイツの医師であるシュルツ氏が考え出したのが 『自律訓練法』。自律訓練法というと難しく聞こえますが、つまりは不安を取り除くリラックス方法です。

自律訓練法

短期間で習得しやすく、リラックス効果も高いのがこの自律訓練法。治療の現場だけでなく、スポーツ選手のメンタルトレーニングやビジネスマンのストレスケアなど、幅広く利用されています。

自律訓練法

特定器官公式や意思訓練公式など、医師の指導のもとでおこなうものが主ですが、標準公式の中の「第1公式」 「第2公式」など自分でおこなうことができるものもあります。

では、自律訓練法のやり方、効果、注意点について紹介していきます。

自律訓練法をおこなう前の準備

環境や自分の服装などをふさわしいものに

自律訓練法をおこなう場所は、暑くもなく寒くもないところを選びます。リラックスできる場所が良いでしょう。そしてなるべく静かな場所でおこなうようにしてください。

アルコールを飲むのも避けた方が無難です。服装はゆったりとしたものを選びましょう。このような環境づくりをしなくても自律訓練法をおこなうことはできますが、その場合は効果がじゅうぶんに発揮されないことがあります。

リラックスした状態を作る

自律訓練法をおこなう時の姿勢ですが、基本的にはあお向けになって寝ている状態が好ましいです。イスに座った姿勢でおこなうこともできますが、できるならあお向けでおこなった方が高い効果が得られます。

自律訓練法の姿勢

ちなみに、あお向けの姿勢を作る場合ですが、ふだん枕を使っている人は同じように枕に頭を乗せてください。

そして、両腕と両足を少し開いて体から離します。手の指は力を抜いて曲がっている状態にしましょう。力を抜く時には、肩をふっと上下させると緊張状態がほぐれますね。

ここまで姿勢を整えることができたら、ゆったりと目を閉じます。ぎゅっと目をつむるのではなく、軽くやわらかな感じで目をつむるようにしましょう。

では、自律訓練法のスタートです。

自律訓練法のやり方

自律訓練法は医師の指導の元でおこなうものが主ですが、自分でできるものもあります。それが『標準公式』の中の「背景公式」、「第1公式」、「第2公式」、そして「消去動作」です。

背景公式

『気持ちがとても落ち着いている』と心の中で何回かくりかえして、自分自身に言い含めます。恐怖観念から言い含めるのではなく、本当に気持ちが穏やかだと思うようにしてください。

おだやかな波の音が聞こえる夕べの海にいるイメージでも良いでしょうし、大きな木の木陰で昼寝をしている自分を思い浮かべても良いでしょう。

できれば、自分が今までに行った旅行先などで「あー気持ちいいー」と実際に感じたシーンを思い出すのが効果的。とにかく、自分が穏やかになれるようなイメージを思い浮かべましょう。

雑念が出てきそうになったら、『自分は今、気持ちがとても落ち着いている』と何度も心の中でつぶやいてください。

第1公式:手足が重たい

手足の重さを感じる

気持ちがやわらいできたら、手足の重さを感じる作業に入ります。

まず自分の利き腕に意識を集中させて『利き腕が重たい』と心の中でつぶやきます。そして、本当に利き腕が重く感じるまでそれを続けましょう。その時には『気持ちがとても落ち着いている』という言葉も合い間に入れると良いでしょう。

「重たい」とイメージする時に力を入れてしまう人もいますが、手足を重たいと感じるには手足の力を最大限に抜くことがポイントです。必死に重たくしようとせずに、自然と重たく感じるまで待ちましょう。

利き腕が重たいと感じるようになったら、利き腕とは逆の腕 → 右足 → 左足 という順番で同じように『重たい』と心の中で念じましょう。そして、手足が完全に重たいと感じるようになるまで待ちます。

最初からうまくできないのが普通です

自律訓練法を始めて、すぐにできるわけではありません。できるようになるまでは個人差がありますが、1ヶ月たっても手や足の重さを感じることができない人もいます。

自律訓練法の目的はリラックス。手足が重たく感じるように必死になったり、重たく感じないことに焦っては本末転倒。リラックスから遠のいてしまいます。あせらず安心して続けましょう。

ここまでの動作が完了した状態が、自律訓練法の第1公式『手足が重たい』です。

第2公式:手足が温かい

次に、手足が温かいと感じる作業に入ります。

これも第1公式の手足が重たい、と感じる作業と同じく利き腕から始めましょう。

『利き腕が温かい』と心の中でつぶやきます。じわじわと温まるようなイメージをしてみましょう。そして、利き腕に温かさが感じられるようになったら、利き腕とは逆の腕 → 右足 → 左足……という流れで温かさを得ていきます。

消去動作:締めには必ずおこないましょう

第1公式、第2公式の動作によって、心身ともに非常に高いリラックス状態となっています。このままではボーッとしてしまったりスッキリしないと感じることがあるので、必ず消去動作をおこなうようにしましょう

やり方は、両手をグーにしたりパーにしたりを数回くり返し、そのあと“ぐーっ”と大きく伸びをします。そして、最後に深呼吸をおこなって終了です。

消去動作は、自律訓練法を途中で終了する時や途中で寝てしまった時にもおこないます。

ここまでで、自分でできる自律訓練法のやり方は終わりです。

この先の第3公式、第4公式、第5公式、第6公式については、注意点もありますし(注意点については後述します)、第2公式までしかおこなわないから効果がない、ということはありませんから安心してください。

では次に、自律訓練法の効果と注意点を紹介します。

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自律訓練法の効果

自律訓練法をおこなうことで、緊張状態から解き放たれてリラックスした状態になることができます。その効果は精神面にも身体面にもあらわれてきます。

精神面での効果

自律訓練法
  • 気持ちが穏やかに平安になる
  • イライラした気分が消える
  • ストレスに強くなる
  • 集中力が高まる
  • 心にゆとりが生まれて、生活を見直すことができる

身体面での効果

  • 体が温まる(体内酵素や新陳代謝が活発に)
  • 血行がよくなる
  • 血圧が安定する
  • 疲労回復が進む
  • 副交感神経が活性化して、体の回復が進む

リラックスすることは、実は気分的なものだけでなく、体と心の健康を維持するための基本中の基本。もっとも大切なポイントなのです。

自律訓練法でリラックス状態が作れるようになれば、パニック障害の症状にとどまらず、あらゆる不調の回復に非常に効果的にはたらきます。すべての人にとって有効な方法と言えるでしょう。

自律訓練法の注意点

副作用などはありませんが、消去動作をおこなわなかった場合には、ボーッとしてしまう、眠くなる、だるい、などの症状が出ることはあります。

また、ここではご紹介していませんが、第3公式以降の動作には注意点があります。

  • 第3公式:心臓が静かに脈打っている・・・心臓疾患を抱えている人や心臓が気になる人は、緊張などがほぐれず逆効果となってしまう可能性があります。
  • 第4公式:楽に呼吸している・・・ぜんそくなどの呼吸器系に疾患を抱えている人はおこなわないようにした方が良いでしょう。
  • 第5公式:腹部が温かい・・・胃潰瘍や胃炎などがある人は症状が悪化する可能性があるため、おこなわないようにします。妊娠中(後期の方は特に)も妊娠中毒症を起こしてしまう可能性があるため、省略しましょう。
  • 第6公式:額が涼しい・・・頭痛やてんかんなどを持っている人の場合、この動作をすることで不安感がかき立てられてしまう場合があります。

以上、自律訓練法のやり方、効果、注意点について紹介しました。

自律訓練法はやればやるほど、リラックス効果は高まっていきます。パニック障害の改善だけでなく、ストレスを強く感じた時、深くリラックスしたい時、集中したい時などにおこなってみてはいかがでしょうか。

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パニック障害を改善する生活

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