HOME > パニック障害と似ている病気 > メニエール病
パニック障害とメニエール病はどう違う?原因や症状の違いとは
メニエール病は男性よりも女性に多い病気のひとつ。パニック障害の症状と似たところがあるので、パニック障害と誤診されてしまうこともありますし、またその逆のケースもあります。
ですが、すべての症状が共通しているわけではなく、メニエール病に特徴的な症状があります。そこで、症状や原因などどのような違いがあるのかについて、わかりやすくお伝えします。
スポンサーリンク
【目次】
耳の中に異常があるかないか、の違い
メニエール病
メニエール病は、内耳の 『内リンパ水腫』 が原因だと言われている病気です。
内耳は平衡感覚を保ったり、音を神経に伝達するという役割を持っているところ。その内耳の中にあるリンパ液が増えすぎることで、内耳が膨張してしまって圧迫されて……、というのが『内リンパ水腫』。
ですので、メニエール病の場合は、耳の中を検査すれば異常が見つかります。
パニック障害
パニック障害にはそのような耳の異常はありません。つまり、内耳の検査をすれば、メニエール病なのかどうかを判断することができるのです。
原因は耳の病気か心の病気か、の違い
メニエール病
メニエール病は耳の病気。平衡感覚を失って立ちくらみが起きたり、偏頭痛が起きたり、ということはありますが、不安感から激しい動悸を感じたり呼吸困難におちいることは少ないでしょう。
パニック障害
パニック障害は心の病気。「また発作が起きたらどうしよう」、「外出中に発作が起きて恥ずかしい思いをしたらどうしよう」という不安を感じることも多くあります。
またその不安感が引き金となって、動悸、息苦しさ、ほてり、気が遠くなるような感覚、といった症状があらわれることがあります。
スポンサーリンク
発作がおさまるまでの時間の違い
メニエール病
メニエール病の場合、発作がおさまるまでは短くても10分、長ければ数時間も発作が持続してしまうことがあります。
パニック障害
パニック障害の場合、だいたい10分から30分くらいで発作がおさまる場合が多いのです。
つまりメニエール病の方が、発作がおさまるまでの時間が長い傾向があるのです。発作が続いている時間が数分から数十分といったように短い場合は、メニエール病ではない可能性が高いでしょう。
発作(症状)の内容の違い
メニエール病
メニエール病の発作の内容には、耳なり、平衡感覚の乱れによるめまい(立っていられないくらい強いことも)、耳がこもった感じなどがあります。
パニック障害
パニック障害の発作でも、めまいや立ちくらみやふらつきを感じることがありますが、そのほかの症状があらわれることもあります。激しい動悸、息苦しい感覚、手足のしびれ、大量の汗、吐き気、発狂するのではないかといった不安感、などですね。
メニエール病と共通している症状しかあらわれないのか、そのほかの症状もあらわれるのか、で区別できるのではないでしょうか。
スポンサーリンク
そのほかの症状の違い
人の声が聞き取りにくくないか、まっすぐ歩くことができるか、といった症状にも違いがあります。
メニエール病
メニエール病の場合、人の声や音楽などの低周波の音が聞き取りづらくなる傾向があります。症状が悪化すると、会話が困難になる場合もあります。
また、平衡感覚が取れないことがあるので、スッと立っていられずにフラフラしたり、まっすぐに歩けずによろよろと蛇行した歩き方になります。
パニック障害
パニック障害は、発作が起きていない時にそういったことが起こる可能性は極めて少ないです。
また、まっすぐ歩けるかどうかについても、歩く時に足もとがぐらついてしまうことはほとんどありません。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「パニック障害」、国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「不安症」、NHK健康チャンネル「突然、動悸や息苦しさが発作的に始まるパニック症。自分でできる対処法とは」
*-*-*-*
以上、パニック障害とメニエール病との違いを見てきました。
メニエール病は、発症するといまだ治りにくい病気のようです。でもパニック障害は違います。適切な治療を続けていくことで、ゆっくりかもしれませんが着実に完治にむかうことができます。
パニック障害かメニエール病かは、耳鼻科で問診、グリセロールテスト、蝸電図(かでんず)などの検査をおこなった上で判断されます。
内耳に異常がなければパニック障害の可能性がありますが、ほかにも似ている病気はいろいろとありますので、簡単に判断できるものではありません。自己判断せずに、体の面からと心の面からしっかりと検査をしたうえで、治療を進めていきましょう。
スポンサーリンク