パニック発作とは?おもな12の症状、場所や状況との関係について
パニック発作とは、パニック障害の症状のなかでもっとも代表的な症状。動悸、息苦しさ、めまい、手足のふるえなど、体に症状があらわれるものです。
では、パニック発作とは何? パニック発作の種類とは? パニック発作が起こるのはどんな時?具体的にどんな症状があらわれるの? などについて、わかりやすくお伝えします。
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【目次】
パニック発作とは?
パニック発作とは一体どのような症状でしょうか?
パニック障害のおもな症状は次の3つ。
1)の「パニック発作」は、実際に「体に症状があらわれるもの」。動悸がしたり、息苦しくなったり、めまい、吐き気、手足のふるえ、しびれ、冷え、のぼせ、といった症状です。
2)の「予期不安」は、体の症状ではなく「心に感じる不安感」。以前にパニック発作を経験したことで、「今日もまた電車に乗ったら、あの時みたいな状態になったらどうしよう……」と強い不安を感じる状態です。
3)の「広場恐怖」は、「心の不安によって行動できなくなること」。これも以前にパニック発作を経験したことで、「今日もまた電車に乗ったら、あの時みたいな状態になったらどうしよう。もう怖くて電車になんて乗れないわ。とても無理よ。」と不安で怖くて、以前発作が起きた場所に行けなくなることです。
代表的な症状がパニック発作
この3つの症状の中で、もっとも代表的なものが「パニック発作」です。
これは、実際には危機がせまっていないのに、危機がせまっているかのような恐怖や強い不安を感じる状態のこと。前ぶれもなく突然起こるのが特徴で、ほとんどの場合は、場所や状況に関係なく起こります。睡眠中に起こることもあります。
パニック発作の症状はあまりに激しいので、「自分はどうなってしまうの?」、「おかしくなってしまうんじゃないの?」と、とても強い恐怖と不安を感じます。
さて、パニック発作には、発作の起こり方(あらわれ方)によって3つの種類に分けられます。そこで次は、それぞれの特徴についてお伝えします。
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パニック発作の種類と症状の違いとは?
パニック発作は次の3つの種類に分けられます。
- 状況依存性パニック発作
- 状況準備性パニック発作
- 予期しないパニック発作
この3種類、症状のあらわれ方においてどのような違いがあるのでしょうか?
1.状況依存性パニック発作
状況依存性パニック発作とは、決まった状況でいつも起こる発作のこと。
たとえば、会議で発表をすることに強い不安を感じる人の場合、会議で発表をする時には、いつもかならず発作が起こる、というものです。
また、実際にその状況にならなくても、その状況を考えただけでも起こります。「明日は会議で発表かぁ」と考えただけで発作が起こる、ということです。
2.状況準備性パニック発作
状況準備性パニック発作は、(1)の状況依存性の発作と違って、決まった状況で必ず起こるというのではなく、起こらない時もある、というもの。
たとえば、エレベーターに乗ると発作が起きやすい傾向はあるが、エレベーターに乗っても発作が起きないこともある、ということです。また、「これからエレベーターに乗る」と考えただけで症状が出る場合もありますし、考えても症状が出ないこともあります。
3.予期しないパニック発作
予期しないパニック発作は、なんのきっかけもなく突然起こる発作のこと。(1)や(2)のように「この状況だと起こりやすいかも」といった予想もできずに、どんな状況であっても起こる可能性があるパニック発作です。
夜寝ている時に急に目が覚めて発作が起こることもあります。電車の中で症状があらわれたと思えば、こんどは歯医者での治療中に症状があらわれたりと、文字通り「いつ起こるかが予期できないもの」です。
この発作が起こることがパニック障害である条件ともなっているので、この発作がくりかえし起こる傾向があります。
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パニック発作は、場所や状況と因果関係があるの?
パニック発作は、ほとんどの場合は時と場所に関係なく、突然不意にあらわれるもの。「このような場所や状況にいると発作が起きやすい」 という因果関係はほとんどありません。
しかし本人にとっては、そのことを頭ではわかっていてもどうしてもその場所を避けてしまう傾向があります。
電車の中で起これば「発作が起こるかもしれないから電車には乗りたくないわ」と避けるようになるでしょうし、エレベーターで発作が起これば「またエレベーターに乗って発作が起こったらどうしよう」と避けるようになるでしょう。
こうやって、発作が起こった場所や似ている場所に行くのが怖くなってきて(広場恐怖)、そのような場所を避けるようになり、その結果、行けない場所がどんどん増えていって、最終的には一歩も外に出られなくなってしまうこともあります。
さて、パニック発作が起こると、具体的にどのような症状があらわれるのでしょう?次は、パニック発作の具体的な12の症状についてご紹介します。
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パニック発作のおもな12の症状とは?
では最後に、パニック発作のおもな12の症状について 紹介します。
動悸
パニック発作の中で最もよくあらわれる症状が「動悸」。
緊張した時のドキドキのレベルではなく、心臓が強くバクバクして全身にその鼓動がひびいて心臓が破裂しそうに感じるほどの激しいもの。息ができないように感じたり、めまい、胸の痛み、吐き気をもよおすこともあります。
窒息感、息が吸えない
息が吸えない、空気が薄くなっている、と感じることがあります。同時に、胸の圧迫感、動悸、恐怖感、不安感などの症状があらわれることも。
「このままでは窒息してしまう」という不安がさらにパニックを引き起こして、過呼吸になったり、めまい、手足の震えが起きたりすることもあります。ただし、実際に意識を失ったり、失神することはありません。
息苦しい
息苦しい、息切れがする、うまく息が吸えない、という感覚におちいるのもパニック発作の症状のひとつ。呼吸が荒くなる、呼吸困難になる、立ちくらみ・めまい・動悸も起こる、という傾向があります。
息苦しい症状は、エレベーター、電車、会社、美容院、歯医者などのストレスや緊張する状況で起こりがち。逆にリラックスしている時には息苦しく感じることはまずありません。
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めまい、ふらつき
パニック発作でのめまいは、天井やまわりの壁がぐるぐるするのではなく、自分の体がフラフラするように感じる「浮動性めまい」。
体の力が抜ける、気が遠くなる、血の気が引く、フワフワする、といった感覚で、動悸、息苦しさ、耳鳴り、吐き気などの症状もあらわれることがあります。
大量の汗
暑さや寒さに関係なく、噴き出るような大量の汗が出ます。
上司の前、近所の○○さんと一緒の時、電車の中など、特定の人と一緒だったり特定の場所にいるときに大量の汗をかく人が多いようです。
「なんとなく緊張や不安を感じて」汗をかくのがパニック発作の特徴。大量の汗で不安になりますが、すぐにおさまりますので心配しないようにしましょう。
吐き気、お腹の不快感
お腹をつかまれているような不快感、違和感、強い吐き気がパニック発作の特徴。ほとんどは吐き気だけで実際に吐くことはありません。
吐き気をもよおすタイミングは、空腹時、食事中、食事の後など人それぞれ。一時的なものもあれば、1時間も2時間も吐き気がこともあります。
ただほとんどの場合は、吐き気を感じてから10分以内にピークの状態になり、それから30分以内にはおさまる傾向があるのが、パニック発作からくる吐き気の特徴です。
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手足が震える
手足や全身が震える、しびれる、からだ全体がガクガクする、体がかたく硬直する、大量の汗が出る、といった症状。体にチカラが入らなかったり、動悸、過呼吸などが同時にあらわれることもあって、さらに不安が強くなってしまいます。
過呼吸や息苦しさ、動悸などをともなう場合には、パニック障害ではなく「過呼吸症候群」であることも。また、手足の震え、しびれ、からだ全体のけいれんの場合は「てんかん」であることも。
まずは一般の内科を受診して、体に異常がなければ心療内科などを受診して、何が原因なのかを診断してもらいましょう。
胸の痛み、胸の不快感
チクチクした胸の痛みを感じることが多いですが、締めつけられるような胸の痛み、鈍痛、キリキリと痛い、と感じることも。同時に、血の気が引いて力が抜ける感覚や、動悸、めまい、不安感などにみまわれる傾向があります。
胸の痛みは1時間以内におさまることがほとんどですが、場合によっては数時間も続くことがあります。
冷える、のぼせる
手足が冷える、ゾクッと寒気を感じる、体がほてる、のぼせる、などパニック発作の冷えは「頭が熱くて足が冷たい」という状態。
いつも足が冷えるということではなく、発作を起こした時や起こしそうな時に急に冷える傾向があります。
また、発作がおさまっても冷えがすぐに消えるとは限りません。強い冷えが続いて、お風呂に入ってもなかなか温まらないこともあります。
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感覚が麻痺する、手足がしびれる
麻痺(まひ)したように感じる、手足がしびれる、うずく、といった症状がまれに出ることがあります。顔や手足や左半身や右半身が麻痺したり、麻痺したように感覚が鈍くなるもの。
息苦しく動けなくなって不安と恐怖にかられますが、症状が長く続くことはありません。
非現実感、離人感
夢の中にいるような感覚、雲の上を歩いているようなフワフワした感覚など「非現実感」を感じることがあります。
また「離人感」といって、自分が自分でないような感じや、まわりから切り離されたような感覚を覚えることもあります。どちらも一時的な症状です。
発狂するのでは?おかしくなるのでは?という不安感
不安感や恐怖感があまりにも強くなって、「発狂してしまいそう」、「このままおかしくなってしまうのかしら?」と感じることも少なくありません。でもパニック発作では、発狂することもおかしくなることもありません。
自分がどんな状態になったのか、どんな行動をしたのか、などはちゃんと覚えていますし、その時の思考もしっかりしています。
無意識のうちに自分でもある程度のブレーキはかけていますので、心配しなくても大丈夫です。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「パニック障害」、国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「不安症」、NHK健康チャンネル「突然、動悸や息苦しさが発作的に始まるパニック症。自分でできる対処法とは」
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