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パニック障害でも安心して電車に乗るための11の対策
パニック障害の方が電車に乗るのは、とても勇気のいることではないでしょうか。
ましてや電車の中で発作を経験したことのある人にとっては、電車に乗ると考えただけで動悸がしたり冷や汗が出たり、といった症状が出るかもしれません。
とはいえ、電車に乗らなければいけない状況もあるでしょう。そこで、少しでも不安を減らして電車に乗りやすくなるための11の対策についてお伝えいたします。
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【目次】
電車に乗る前の3つの対策
まずは電車に乗る前の対策。乗る直前ということではなく、電車に乗る日を決めてからの事前準備としての対策 についてお伝えします。
- 大丈夫だと心に言い聞かせる
- 入念な準備
- 電車の時刻をあらかじめ確認しておく
1.大丈夫だと心に言い聞かせる
基本的にパニック障害の場合は、「決まった状況やある特定の場所になると発作が起こる」 ということはありません。
電車の中で発作が起きたことがあっても、それは 「電車の中ではいつでも発作が起こる」 ということではなく、「その時はたまたま発作が起きたのが電車の中だった」 ということ。場所や状況との因果関係はほとんどありません。
そのことを理解したうえで、「私は電車に乗っても大丈夫」、「電車と発作は関係ないのよ」、「息苦しくなんてならない」、「電車に乗ることに不安なんて何もないわ」 と言い聞かせることによって、心を落ち着かせましょう。
『なぜ大丈夫なのか』という『大丈夫である根拠』をいくつも挙げていくことで、大丈夫だということが腑に落ちて、不安が軽くなっていくのではないでしょうか。
2.入念な準備
これ以上は準備することがない、というくらい入念に準備をしてみてください。そうすることで、不安感を払拭することができます。
準備するものとして必要最低限なものは、このようなものではないでしょうか。
- 健康保険証や服用中の薬についての説明書(お薬手帳など)……パニック発作が起こった時、救急車で搬送された場合に必要になります。これを持っているかどうかで安心感が違ってきます。
- 薬……不安が襲ってきてどうしようもなくなってしまった時に飲む薬を準備しておきましょう。
- 水……薬を飲んだりするときに使います。ただ水を一口飲むだけでも不安が少し軽くなります。
- 心を落ちつかせるための本……電車の中で落ち着くために使います。目的地に到着するまで読み続けることができるように、何冊か用意しておくと良いでしょう。
3.電車の時刻をあらかじめ確認しておく
電車のホームで待っていると、どうしようもない恐怖に襲われてしまう場合があります。なので、あらかじめ電車の時刻を確認しておいて、その時刻に合わせて、あまり待たないですむように駅へ行くと良いでしょう。
しかし、強風や大雨などの天候によって電車に遅れが出てしまう可能性もあります。まずは駅の改札口で、電車の遅れがないかの確認も欠かさないようにしましょう。
では次に、電車に乗る時の対策についてお伝えします。
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乗車に乗る時の8つの対策
次は、じっさいに電車に乗るときにできる対策について紹介します。
- 家族や友人と一緒に乗る
- 混んでない時間帯に乗る
- 寝てしまう
- 音楽を聴く、聴かない
- 最終車両に乗り込む
- 混雑していなければ車両を変えてみたりして気を紛らわせる
- 大丈夫だと言い聞かせる
- 薬の服用
1.家族や友人と一緒に乗る
不安が襲ってこないよう、家族や友人と一緒に乗車をするというのも良い方法。心を許せる人と一緒に乗車することによって、不安はかなり軽くなります。万が一なにかあった時でも、家族や友人がいてくれると心強いでしょう。
2.混んでない時間帯に乗る
電車内が混雑していると、圧迫感に押しつぶされそうになってしまって、パニック発作を起こしてしまうという人も多いです。そのため、電車に乗る時は混んでない時間帯を狙いましょう。
ラッシュ時などは、なにかあってもパッと電車を降りられないこともあるでしょう。まず最初はすいている時間帯に乗ることから始めるのが安心です。
ちなみに、立っているより座っている方が心が落ち着くようです。
3.寝てしまう
目的地まで寝てしまうことが可能であれば、そうしてみて下さい。寝てしまえば、ストレスを感じることもないでしょう。
ただし、「寝てしまったら乗り過ごしてしまうかも」 と不安を感じてしまう場合は起きていましょう。不安や恐怖がある状態で眠ろうとしても、逆にストレスになってしまいます。
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4.音楽を聴く、聴かない
これは人によります。音楽を聴いていた方が気がまぎれてよいという人もいれば、音楽を聴かない方がいいという人もいます。
傾向としては、音楽を聴いていることによって、恐怖心があおられてしまうこともあるようです。
音楽を聴いている方が落ち着いていられるのなら、音楽を聴きながら電車に乗りましょう。その時は外の音もちゃんと聴こえる音量で聴いてください。
5.最終車両に乗り込む
最終車両には車掌さんが乗っています。ですから、もし発作が起きてしまった場合はすぐに車掌さんへ伝えられるところに乗車しておくことによって、気持ち的に安心できます。
6.混雑していなければ車両を変えてみたりして気を紛らわせる
気分を変えるために車両を変えてみたり、席を移動したりしてみてください。そうすることで気がまぎれます。
7.大丈夫だと言い聞かせる
電車に乗れるようになるための対策の項目でも書きましたが、息苦しさを感じてしまった時に 「私はとっても気分が落ち着いている」、「電車とパニック発作はなんの関係もないから大丈夫」 と心の中で言い聞かせることで、ドキドキ感がおさまることがあります。
8.薬の服用
どうしても無理だと思う場合は、電車に乗る前に抗不安薬を飲むのもひとつの方法。不安感をやわらげることができます。(もちろん服用にあたっては医師の指示に基づいてください)
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最初は各駅停車の電車から
特急や快速など、目的地へ早く到着する電車を選んだ方が良い、と思っている人が多いかもしれません。
でも、各駅停車の電車であれば「気分が悪くなったらいつでも降りることができる」というメリットがあります。いつでも降りることができる、と思うことで不安感も軽くなります。
まずは家族や友人と一緒に、各駅停車で1駅乗る。次回は2駅乗る。次はひとりで乗る。急行で1駅乗る。電車に乗っても大丈夫なことを確認しながら、無理せずに、すこしずつ乗る時間をのばしていきましょう。
※参考サイト:NHK健康チャンネル「心のリラックスでストレス解消 - 認知行動療法で考え方を見直す」、「突然、動悸や息苦しさが発作的に始まるパニック症。自分でできる対処法とは」、厚生労働省 e-ヘルスネット「認知行動療法」
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以上、電車に乗るための対策についていくつか紹介しました。いかがでしたでしょうか?
これらの対策をしても、電車に乗ることに大きな不安があるとは思います。一人で無理をして克服しようとしないで、家族や心を許せる友人の助けを借りながら、少しずつ克服していってください。
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