パニック障害からくる広場恐怖の症状・傾向・対処法とは?

広場恐怖は、パニック発作、予期不安とならんでパニック障害の3大症状のひとつです。

おもな症状

パニック発作予期不安広場恐怖

では、広場恐怖について説明します。

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【目次】

広場恐怖とは?

広場恐怖とは、「以前パニック発作が起きた場所に行くと、また発作が起きるのでは?」という恐怖から、そのようなところを避けるようになる状態をいいます。

特に、

  • 逃げたくてもすぐには逃げられないところ
  • 発作が起きたら恥をかく(と思っている)ところ
  • 発作が起きたり何かあっても、誰も助けに来てくれないところ

といった場所にいることや行くことが怖くなる状態が、広場恐怖です。

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広場恐怖を感じる主な場所とは?

広場恐怖を感じるのは、次のような場所が多いようです。

広場恐怖
  • バス、電車、満員電車(特に急行など次に降りられる駅までの時間が長いもの)
  • 飛行機、新幹線
  • 高速道路、トンネル、橋の上(特に車を運転中の場合)
  • 人ごみ、混雑した場所
  • 地下道
  • 歯科、美容院など、比較的動きにくい場所
  • エレベーター、コンサートホール、映画館(閉鎖された空間)
  • 列に並んでいる時
  • 一人でいる時
  • 遠距離の外出など知らない場所への外出中
  • 頼れる人がいない場所(その場所に長い時間い続けること)

広場恐怖が重症になると、一人では外出ができなくなって家族や友人などの頼れる人の付き添いが必要になってきます。広場恐怖は、一般的に20代の人に発症することが多い傾向があります。

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パニック障害の人が広場恐怖を発症する確率は?

パニック障害の人のうち約75%の人が広場恐怖を発症していると考えられています。これは、パニック障害を発症してから広場恐怖を発症するケースもあれば、広場恐怖を先に発症した人がパニック障害を発症するケースもあります。

また、広場恐怖を発症してもパニック障害ではない人もいます。

なお、次のような流れで広場恐怖を発症する傾向があります。

パニック発作 が何回か起きると……
 ⇒ また発作が起きるんじゃないか?と 予期不安 があらわれて……
 ⇒ 発作が起きたような場所に行くのを避けよう、と広場恐怖を発症する

パニック発作と場所との因果関係は?

発作のほとんどは、時と場所に関係なく突然不意にあらわれるもの。「このような場所にいると発作が起きやすい」という因果関係はほとんどありません

しかし本人にとっては、エレベーターで発作が起これば「またエレベーターに乗ったら発作が起きるんじゃないかしら?」と考えますし、電車の中で起これば「電車に乗るとまたきっと発作が起こるわ」と不安になるでしょう。

「場所やタイミングとは関係ない」と頭ではわかっていても、どうしても不安になるでしょうし怖くも感じるでしょう。

こうして広場恐怖が進行すると、発作が起こった場所を次々と避けるようになってしまって、行けない場所がどんどん増えて、最終的には一歩も外に出られないようになります。

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広場恐怖の対策とは?

広場恐怖の症状が軽いうちは、多少の不安を感じながらも必要な場所に行くことができます。しかし症状がひどくなるにつれて行けない場所が増えていき、最終的には、一人ではどこにも行けない状態になってしまいます。

そうならないために、広場恐怖の対策として、症状が軽いうちに、不安を感じる場所にもがんばって行くようにしましょう

  • 「パニック発作と場所には因果関係がない」ということを言い聞かせましょう
  • 一人で行かず、家族や友人と一緒に行きましょう
  • すこしずつ、すこしずつ
  • 無理をしないで、できる範囲で
  • 大丈夫だったら「ここまでは大丈夫ね」と言い聞かせましょう

無理せずにすこしずつ不安を取り除こう

たとえば電車に乗るのが不安な場合には……

  • 家族やお友達と一緒に行く
  • まずは各駅停車で1駅2駅乗ってみる
  • 大丈夫だとわかったら、次回は4駅5駅と伸ばしてみる
  • 大丈夫だとわかったら、次回は急行などに1駅乗ってみる
  • 大丈夫だとわかったら、乗っている時間を少しずつ伸ばしてみる

このようにすこしずつ広場恐怖の不安を取り除いていきましょう。

広場恐怖

1駅2駅乗っていったん電話を降りて、大丈夫だったら、すこし休んでから3駅乗ってみるのもいいでしょう。

「大丈夫だったけどすこしドキドキした」、なんていう場合は、今日はこれでやめて、また別の日に3駅に挑戦してみればいいと思います。

広場恐怖は、なにも対策をしないままだと、行きたくない場所がどんどん増えていってどこにも行けなくなってしまいます。これでは日常生活にも困りますし、気分転換もできませんよね?

まだ症状が軽いうちに、一緒にいて安心できる家族やお友達に付き合ってもらって、無理なくすこしずつチャレンジしてみてください。

そして「電車に乗るのはもう平気だわ。あの時の発作はたまたまだったのね。」と、場所と発作が起きたことは関係ないことが実感できるようになれば、広場恐怖の不安からも解放されていくでしょう。

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「パニック障害」、国立精神・神経医療研究センター~こころの情報サイト「不安症」、NHK健康チャンネル「突然、動悸や息苦しさが発作的に始まるパニック症。自分でできる対処法とは

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